

●糖化とはたんぱく質の老化
-- 糖化という言葉が注目されるようになった背景は何なのでしょうか。
まず、日本人には多く見られる糖尿病に関する医学的な研究が進んだことがあげられます。そして糖尿病性網膜症や腎症の原因や治療に関する研究を通じて、生体内での糖化反応が解明され、今では多くの疾患の原因の一つだと解ってきたからです。
-- 糖化はスキンケアの面で話題になるよりも前から、健康や疾患にまつわる言葉だったのですね。では、糖化が起こるメカニズムを簡単に説明していただけますか。
糖化とは、タンパク質が糖といっしょになって変性することです。例えば、肉が焼けると固くなって色も変わりますね。これがタンパク質の変性で、一度糖化が起こると、もとの状態に戻すことはできません。また、砂糖水を煮詰めるとカラメルになって褐色化するのも同じような現象です。
-- 炊きたてのお米は白くてふっくらしていますが、時間がたつと黄色く変化してしまいます。これも糖化ですか?
そうですね。ほかにも醤油や味噌ができるのも、タンパク質が固まる変性の過程です。体内で糖化が起こるということは、難しい言葉でいうと、糖化生成物(AGEs)が体内に蓄積していくということなんですね。また、紫外線と糖化は非常に関係が深く、紫外線は糖化物質を増やしてしまうようです。
-- 糖化は体や肌のどういったところにどんな作用を及ぼすのでしょうか。
皮膚にあるタンパク質のコラーゲンがグルコースという糖と反応して変性してしまうと、弾力性の低下など皮膚の老化につながります。また、血管が糖化すると動脈硬化につながりますし、ほかにも白内障など、糖化の悪影響にはいろいろなものがあります。
-- でも、糖は人間には必要なものなので、糖化はどうしても避けられないのでは。
糖分(グルコース)そのものは人の体には大切なもので、脳を活性化する働きがあります。それでも過剰な摂取はよくありませんね。
-- 自分の体や肌で糖化が進んでいるかどうか、チェックするポイントはありますか?
例えば最近肌に張りがないなと感じはじめたら、それは糖化が進んでいるというサインかも知れませんね。また、ちょっとした距離でもついタクシーに乗ってしまうなとか、少しの上り下りにもエレベーターを使ってるなという風に、自分を甘やかせて、いつも楽な方ばかり選んでいると、糖化が進んでいると思っていいかも知れません。
●糖化予防の三本柱は食事、運動、睡眠
-- では、糖化の予防・改善のために、日常生活でできることは何でしょうか。
まずは食事、運動、睡眠が大切です。三食きちんと、ビタミンやミネラルが豊富でバランスのよい食事をとるようにする。もちろん甘いものばかり食べるなど、糖分の過剰摂取はいけませんし、アルコールも適量を心がけるようにしたいものですね。さらにエクササイズ。なるべく階段を使うとか、移動は早歩きでなど、自分の体を甘やかさずになるべく運動するように心がけることでしょう。あとは質の高い睡眠をとること。睡眠時間は1.5の倍数、例えば6時間とか7時間半とかがいいと言われますが、これは覚えておいてもいいかも知れませんね。レム睡眠、ノンレム睡眠の周期に関連しているのですが、別のコラムで詳しくお話しますね。
-- 積極的にとるといい食べ物やサプリメントなどはありますか。
セイヨウサンザシのジュースやドクダミ茶、ブドウの葉などがおすすめです。これらの食品には抗糖化作用がありますね。また、アロマの中には効果的なものがあるので、例えばローマンカモミール(ローマカミツレ)をお茶でとったり、皮膚に塗ったりするといいかも知れません。それと糖質をとるなら新鮮な果物からがいいでしょう。
-- 糖化は加齢とともに進みやすくなるものなのでしょうか。
老化とともに耐糖能が低下しますから、糖化は加齢によって促進されます。肌の糖化は誰にでも起こりえるものですが、病的な糖化は急激な老化をもたらしてしまいます。老化のことを考えるときに、酸化を防ぐこと、つまり抗酸化についてはだんだん知識が浸透してきましたが、糖化については酸化とはまた異なる考え方が必要ですね。糖化を予防することによって、肌の老化を遅らせることができます。つまり、糖化の予防はアンチエイジングにつながるのですね。
-- 最後に、日比野先生ご自身で心がけていることをお聞かせ願えますか。
外出時には日焼け止めを必ず使用することと、タンパク質のなかでも上質なコラーゲンを十分にとることですね。上質なコラーゲンは豚肉・鶏肉、特に豚足などから、食事でとるのが一番いいのですが、なかなか、忙しい日々では、実施することができません。ですので、サプリメントから摂るのも効率がいいですよね。私は、ロートのエピテームシリーズのサプリメントから、良質なコラーゲンとビタミンCなどが同時に摂れるので、忙しい毎日では、とても助かっています。あとは先ほど言ったように質の高い睡眠をとるように心がけています。
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| 内科、皮膚科、眼科医、アンチエイジングドクター (抗加齢学専門医) 大阪大学医学部大学院医学系研究科卒業・博士課程修了。 同志社大学アンチエイジングリサーチセンター講師、森ノ宮医療大学准教授を経て、現在はルイ・パスツール医学研究センター 基礎研究部 アンチエイジング医科学研究室室長。 専門分野は欧米のアンチエイジング医学以外に、中医学、ホルモン療法、プラセンタ療法、ホリスティック療法、植物療法(フィトセラピー)、クリニカルアロマセラピー、アフェレーシス療法と多岐にわたる。真摯でフランクなカウンセリングが、スポーツ選手やセレブリティに人気。 |




